こんにちは、はるとです。
GWの前半で月組の千秋楽を無事見送り、後半は宝塚のやってない東京を脱出して関西にやって来ました。
こちらでは3公演もやっているのですが、雪組「ライラック」は別途ムラ遠征予定、バウ「舞姫」はチケットが取れず、結局梅田「二人だけの戦場」三昧となりました。
この「二人だけの戦場」、ヅカ友花担から「どうしてこのタイトルなのか?」という宿題をだされての遠征です(笑)
29年ぶりの再演です。
まだ再演が発表される前にスカイステージで観ましたが花總まりのデビュー作ということで花總まりしか観てませんでした。
その時の印象は「古くさくて暗い」というだけ。
それが今回再演にあたりブラッシュアップされたのか、結論は「面白かった」です!
「うたかた」も「二人だけの戦場」も手直しすれば永久に使えますね(笑)
最初に配役別の感想。
まずは柚香光。
新任少尉を丁寧に演じてました。
トップ就任直後は単なるショースターかと思っていたのですが、「巡礼」→「フィレンツェ」→「うたかた」→「二人だけの戦場」と、「笑わない暗い役」が板についてきましたね!
柚香光の演技は公演の始まる時はまだエンジンがかかっていないのが徐々に変化して最後にやっと完成するタイプだと思っていたのですが、今回の「二人だけの戦場」は梅田の中日付近である程度完成してるのでは?
もうすっかり歌以外はショーもコメディも悲劇もいけるスターになりましたね!
続いて星風まどか。
今回のライラ役は星風まどかに合ってます。
「アナスタシア」をはじめとする宙組時代の自由気ままな恋するワケあり娘の役柄が似合います。
月組の海乃美月が本来の個性が薄く透明なまま自然にその役になりきったり星組の舞空瞳が力強くストレートにその役を演じきる中で、星風まどかはいつも自分を捨てきれない感じだったのですが、少なくとも前回の「うたかたのマリー」よりは今回の「戦場のライラ」の方が本来の星風まどかに近いんでしょうね。
永久輝せあ
いよいよ2番手ですね。
ついついあと3作もやればトップになるんだなあ、という目で観てしまいます。
2番手としてはもう十分な実力があると思います。
あとはその名前の通りの「永久の輝き」になるかどうかですね。
綺城ひか理
2階のグッズ売場を覗くと公演プロマイドが売ってました。
柚香光と星風まどかと永久輝せあと綺城ひか理です。
プログラムの写真は大きくなかったです。
劇団の都合で行ったり来たりさせられた訳ですから今後は配役がよくなること必至?
その176センチの高身長を生かしていい役を取れるといいですね。
希波らいと
こちらは身長178センチ。
「うたかた」の新人公演より貫禄がついて堂々としてました。
歌もびっくりするほど上達。
1幕目の前半で舞台の上手の高い位置で星風まどかと二人で立つ場面が本当にかっこ良かった。
トップ娘役を相手に印象に残る立ち姿でした。
最後に朝葉ことの
うまかった!
音くり寿や華雅りりかを超えて専科級。
次にストーリーのこと。
正塚先生、大好きです(笑)
1948年の設定ですが、旧ユーゴスラビアのチトー大統領時代のイメージですね。
基地がゲリラに囲まれ孤立するところはベトナム戦争初期のフランス軍でしょうか。
今回の「二人だけの戦場」も作品としては男ごころをくすぐってとても良かったのですが、幾つか疑問点が…
①「上官殺害罪は適用されないのでは?」
シンクレア少尉は基地司令であるハウザー大佐が不当に逮捕される、もしくは不当に射殺されるのを部下として守ったんですよね。上官殺害罪どころか勲章モノだとおもうんですが…。ハウザー大佐の手紙が退任しているので裁判の証拠として採用されないのをノヴァロが見越して起訴したのか、あるいは軍がルコスタの独立の責任をシンクレア少尉にも取らせたと言うのは読みすぎ?
②「クェイド少佐はハウザー大佐を逮捕できない」
階級が下の者が上官を自由に逮捕できたら軍隊は成り立たないと思うのですが…
ハウザー大佐よりも階級が上の者からの命令がなければ逮捕できない。少佐は大佐を逮捕を口実にして射殺するつもりだったんですかね。
③なぜシンクレア少尉の銃を先に取り上げなかったのか
クェイド少佐はハウザー大佐を逮捕する際に一緒にシンクレア少尉も逮捕すると思うのですが、なぜ先にシンクレア少尉を武装解除しなかったんでしょうね。見張っていた護衛のラシュモア軍曹は無力化してあったのに。
等々、ちょっと気になる点はあるのですがそれはお芝居、「カジノ・ロワイヤル」の水鉄砲のような銃撃戦よりはマシです(笑)
クリフォードは大尉になってるのにシンクレアは少尉から進級せずその後2ヶ所の自治州の独立の戦いに回されても戦死しなかったから5年も経って裁判を起こされてしまうし、
いろいろ深く考えるのはやはり私が男性だからでしょうか。
最後にヅカ友花担からの宿題のなぜタイトルが「二人だけの戦場」か、なのですが
「二人だけの戦場」→「二人の戦場」にすれば納得しませんか?
二人とは柚香光と星風まどかですよね。
別に戦場で二人だけになってしまうワケでもないので「だけ」を取ってしまうとスッときます。
気になるのなら「二人における戦場」でもいいですがちょっと固いです(笑)
当時はキャッチャーなコピーで想像力をくすぐって売り込んだんでしょうね。
柚香光さん、「はいからさん」の少尉もよかったけど「二人だけの戦場」の少尉もよかったですよ~
ではまた劇場でお会いしましょう!