「夢現の先に」は(私にとっては)ホラーだった!

こんにちは、はるとです。

「夢現の先に」千秋楽おめでとうございます。


配信とバウで3回観ました。

主演の鷹翔千空は2019年の「群盗」や先日の「HIGH&LOW」で気になっていて、あてがきされたらどんな感じか楽しみにしていました。

スカイステージでなんとなく鷹翔千空の明るいボケキャラは知っていたのですが、その個性とは反対に舞台メイクした顔はかっこよく、躍りや歌の実力もあり、間違いなくトップ?

「僕」、よかったです。

さすが101期首席の初詣ポスター、宙組路線男役の中でも特に今後も注目です。

また「彼女」の山吹ひばりも以前より全然成長していて、やがて東上を経てトップ娘役になることを確信。

他にも卒業してしまう朝木陽彩や研4の泉堂成の歌声にも感動。

とにかく出演している宙組の若手全員、みんなよかった!


ストーリーも楽しみでした。

この「夢現の先に」のストーリーは公演案内の作品紹介を読んでも謎だらけ。

ポスターも宇宙服?を着た鷹翔千空がナナメになっていて背景も白い枠しかありません。

演出の生駒怜子先生もデビュー作品で作風もわからず、ただ白い羊がいっぱい出てくるから、なんだか夢の中のファンタジーなのかな?と思ってました。


そして初日を迎えて翌日から休演。

ネット上の観劇レポートもバウなので少なく、しかも結末はネタバレを気にして頂いて秘密のまま。


私は当初はチケットがなく、配信だけかと思っていたら追加公演のチケットが取れて東京から遠征することになりました。


公演が終わったので以下ネタバレです。

ついでに不快感や悪夢も可能性あり。


まずは配信。

前半はイメージ通りのファンタジー。

女性が書いた作品だなあ、と思いながら鷹翔千空のキャラを楽しんだり山吹ひばりのヒロイン度をチェックしたり、楽しく見てました。

ところが後半はなにやら暗くなっていき、最後はまさかの「彼」が植物人間であることに恐怖。

フィナーレのショーは明るいのですが、私は終わったあとはホラー映画を観たような気分でした(笑)

チケットはヅカ友も頑張ってくれて2回観れるので、とりあえず遠征に行きました。


久しぶりのバウホール。

でもすでに配信を見ているので1幕目から緊張です。

生の舞台はリアリティーがあり、観れば観るほどさらにホラーにみえます(笑)


1幕目では場面が進むにつれ白い羊役が一匹ずつ増えていきます。

配信の時は知らなくて、羊が増えるのを一緒に楽しんでいたのですが、それがまさかちょっとおかしくなってきたお母さんが植物人間になってしまった子供のために買ってきた羊の人形だったとは…

ラストでは無言で病室のベッドの枕元に置かれています。

夢の世界で羊達が恐れたあの雑音も、意識のない我が子にお母さんが一生懸命話しかけていた声?


「僕」役の鷹翔千空の拘束服に似た衣装が1幕目で少しずつ軽くなっていくのと反対に、2幕目では「彼」役の亜音有星の白い服には途中で透明の管が足され、最後の場面ではそれが輸血か栄養補給の赤いチューブにかわります。

肩や腰の辺りの四角い透明のビニール素材も、実は重症の入院患者のベッドの回りにぶら下がっている体に溜まる液体を抜く袋に見えました。


検査入院している父の元に、なぜかさらに「彼女」が荷物を持っていくのは父に悪い病気が見つかって長期入院になるための追加の荷物?

検査入院なのに車椅子に乗っているのは脳の病気?

「彼女」が「僕」を病院で両親に紹介するのは、やがて帰らぬ人となる父を安心させるため?


そして1幕目に出てきた楽しげに遊ぶ「夢の住人」16人も現実世界では意識の戻らない植物人間になってしまった子供達?


ではその最初の夢の場面に出てきて鷹翔千空をなぜかやたらにうまくリードする山吹ひばりも実は「あの世」と「この世」を行き来する天使か悪魔か魔女だったりして…


目は覚めたが社会復帰をするには何年もかかる「彼」と、普通の人間ではない「彼女」に挟まれて、健全な鷹翔千空が「さらなる苦難な待つ世界」へ入っていってしまうのが、実は最大のオチなのかもしれません。


フィナーレでは元気になった設定の亜音有星やヒロインの山吹ひばりが鷹翔千空と明るくデュエットダンスを踊るのですが、私の頭の中ではまだ「輸血か栄養チューブ」や「枕元にあるものを言わぬ白い羊達の人形」の方がまさっていて、いつもの楽しいタカラヅカの世界に戻れませんでした(笑)

バウホールを出て花の道を歩きながら、ドラえもんはすべて植物人間になってしまったのび太の夢だった、という都市伝説を思い出しました。

そう言えば「羊たちの沈黙」という映画もありましたよね(笑)


「冬霞の巴里」もちょっと怖かったけど「夢現の先に」の方がホラーだった!



「夢現の先に」

総合評価        ☆☆☆

珍しくバウチケゲット  ☆☆☆
公演中止のおかげだが  ☆☆
前方席は恐怖の連続   ☆


ではまた劇場でお会いしましょう!




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