分かりやすく解説! 阪急が宝塚を手放す時

こんにちは、はるとです。

今日はヅカ友Aから「コロナで宝塚がなくなったりしないの?」とまじめに聞かれたので阪急阪神ホールディングスの決算資料を見ながらお答えします。

まずは宝塚。

阪急阪神のエンターテイメント部門にはスポーツ事業とステージ事業があります。

そのステージ事業は宝塚歌劇団が中心ですが、意外にもあっさり「黒字」

2021年は売上334億円で69億円の利益。

立派なもんです。

でもコロナが始まった2020年は売上が210億円で利益は17億円まで減少しました。

危なかったですね。

大昔は阪急には「阪急ブレーブス」と「宝塚歌劇団」という「ドラ息子」と「ドラ娘」がいたのですが、「ドラ息子」は養子に出され、反対に「ドラ娘」はいまや小粒だけど高い利益率を出すようになりました。
(だから理事長が名誉職だったのが経営者っぽくなったんですかね……)

ちなみに阪急阪神全体は売上7000億円で営業利益は400億円です。

内訳は「都市交通部門」(主に鉄道)が売上1600億月で56億円の黒字
不動産部門が売上2300億円で329億円の黒字
他に旅行部門やホテル部門、情報通信関連部門や国際輸送部門があります。

その中で赤字なのは旅行部門(▲57億円)とホテル部門(▲131億円)でコロナ直撃で痛い。

ちなみに借入金が9000億円あって金利が85億円かかってます。

コロナ元年の2020年はすべての部門で厳しかったけど2021年は旅行部門とホテル部門だけ赤字、もしまだまだコロナが続いて今後見直すとしたら旅行部門とホテル部門で、宝塚は「公演が半分以下だと赤字だけど6割公演できたらなんとかトントン、7割できればまあまあ黒字」と言ったところでしょうか。

高い版権の海外ミュージカルを豪華な衣装で上演するにはまだちょっと勇気がないのも理解できます。

でも本当に怖いのは長期的な時代の変化で、阪急阪神が「都市交通部門」と呼んでいる鉄道の利益率がさらに下がり赤字化したり、不動産部門が人口の減少等で収入が減少していったりという本業の悪化の際に、阪急が変化をせずに時代の流れに乗りそこなう。

阪急が宝塚を手放すのはその時です。


宝塚はたとえ黒字でもその存続を自分で決めることはできません。

宝塚が黒字であっても阪急の本業を支えるほどの大きな収入や利益は見込めないので、もし他の大きな資本が高値で宝塚を買収するような話が出たら「ドラ息子」のように売られてしまう可能性がないとは言えません。

また「劇団」としてではなく「土地」としての魅力もあります。
宝塚大劇場の敷地だけでも駅チカ超巨大高級マンションが建ちますよね。
(でも劇場がなくなると宝塚の価値は下がります…)

長期的なことは誰にもわかりませんので今は祈るしかないでしょう。

阪急阪神ホールディングスよ、宝塚と共に永遠あれ!


ヅカ友Aのために。

「阪急」をちょっとむちゃくちゃですが分かりやすく「ある一家」で置き換えると……

タクシー運転手(鉄道部門)の夫とアパート経営(不動産部門)の奥さんとその敷地で小さな雑貨屋(宝塚歌劇団)をやってる娘さんの3人家族。

阪急の売上(7000億円)を5万分の1で計算すると

タクシー収入(鉄道部門) 320万円で10万円貯金
アパート収入(不動産部門) 460万円で65万円貯金
雑貨屋収入(宝塚歌劇団)  67万円で14万円貯金
ローンが1800万円あって金利を17万円払ってる
旅行が大好きで去年は旅行社やホテル代で38万円使ったって感じですかね

結論は
「タクシー運転手の真面目な旦那と、アパートを管理しているしっかりものの奥さんと若くて明るい娘さんが雑貨屋をやっていて」
「ローンもあるけど金利は払えてるし、年に一度は海外旅行に行ったりする仲良い家族で」
「みんなコロナにはかかったけど、今はほぼほぼ日常を取り戻していて」
「娘さんは雑貨屋を改装したいけどちょっと勇気がなくて見送っていて、両親はそんな娘さんのやっている雑貨屋を潰す気はまったくない」
(でも最近アパートとその雑貨屋の土地に大きなマンションを建てないかと言う話もきている)

と言ったところでしょうか(笑)



「阪急が宝塚を見放す時」

総合評価   ☆☆

コロナ禍でも現在は黒字     ☆☆☆
でも将来はすべて阪急次第    ☆
せめて自分が生きてる間だけでも ☆☆☆


ではまた劇場でお会いしましょう!



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