こんにちは、はるとです。
みなさん、月組トップ娘役の海乃美月はトップ就任前に新人公演やバウや東上ですでに10回も主演をしているってご存知でしたか?
先日雪組トップ娘役の朝月希和(96期)の3作目での退団発表があって、海乃美月(97期)も3作目の「応天の門」で退団ではないかという憶測が一部にながれていますが、今日は海乃美月が月組トップ娘役になった経緯を見ながら考えてみたいと思います。
まずは月組で新人公演ヒロインになった娘役のその後をふりかえってみます。
この二人は他の組での長期就任。
夢咲ねね
89期(2003年入団後)
新人公演ヒロイン3回
星組に異動後2009年から2015年までトップ娘役をつとめましたが、これは女帝につぐ長さ。
蘭乃はな
92期(2006年入団)
新人公演ヒロイン1回
城咲あいの演じた役1回
(当時月組はトップ娘役を置かなかったが城咲あいが実質トップ娘役)
花組に異動後2010年から2014年まで真飛聖・蘭寿とむ・明日海りおの相手役をつとめました。
この二人は月組のトップ娘役にならず、月組はまるで他の組のトップ娘役の養成機関のようでした。
花陽みら
93期(2007年入団)
2016年退団
新人公演ヒロイン1回のみ
愛風ゆめ
94期(2008年入団)
2013年退団
新人公演ヒロイン1回のみ
花陽みら、愛風ゆめは新人公演ヒロインでしたが1回だけでその後退団。
愛希れいか
95期(2009年入団)
新人公演ヒロイン2回
ご存じ「ちゃぴ」は2011年に男役から娘役に転向。2012年から2018年まで月組トップ娘役でした。
咲妃みゆ
96期(2010年入団)
新人公演ヒロイン2回
2014年に雪組に異動。トップ娘役に。
そして
海乃海月
97期(2011年入団)
宝塚創設100周年「TAKARAZUKA花詩集100」で初めての新人公演ヒロイン。
新人公演ヒロイン合計3回。
紫乃小雪 (ゆかりのこゆき)
98期(2012年入団)
新人公演1回のみ
2017年退団
美園さくら
99期(2013年入団)
新人公演ヒロイン3回
2018年から2021年まで月組トップ娘役。
100期(2014年入団)
該当者なし
つまり娘役が月組で新人公演ヒロインになったあとは、複数回新人公演ヒロインをつとめてトップ娘役になるか、1回だけだとその後退団するかのどちらかでした。
複数回新人公演ヒロインをつとめて2番手で終わる娘はいなかった、ということです。
男役でも新人公演主演を複数回経験すると「超路線」といって単なる「路線」と区別したりしますが、まさに海乃美月は新人公演ヒロインを3回もつとめているので「超路線」です。
決して「救済」とか「功労賞」で娘役トップになったのではなく、「超路線」を温存していたのです。
ここからは各期ごとの現役の主な娘役について見てみます。
天紫珠李
101期(2015年入団)
2017年に男役から転向。新人公演ヒロインに1回なるが、東上してもヒロイン扱いにならないのはもしかしたら新人公演ヒロイン1回だけなので路線認定しないのが理由。
結愛かれん
101期(2015年入団)
新人公演ヒロイン1回のみ
蘭世惠翔
102期(2016年入団)
2019年男役から転向したが新人公演ヒロイン未経験
白河りり
103期(2017年入団)
新人公演ヒロイン1回のみ
きよら羽龍
104期(2018年入団)
新人公演ヒロイン1回
さらに「ギャツビー」新人公演でヒロインをつとめる予定。
やっと複数回経験者登場
105期(2019年入団)
該当者なし
花妃舞音
106期(2020年入団)
新人公演ヒロイン1回のみだけど、今後きよら羽龍と交互にヒロインをつとめれば「超路線」になる可能性あり。
「ギャツビー」新人公演がまだ行われていない現在、新人公演ヒロイン複数経験者はなし。
つまり海乃美月がトップになる時には誰も対抗馬がいなかったということにもなります。
そして星風→朝月→潤花→夢白の大トレードにも唯一巻き込まれませんでした。
愛希れいかと美園さくらがトップ娘役をつとめる間、海乃美月はバウヒロや東上ヒロインを続けていて、本人もあきらめず、劇団もヒロイン役を与え続けていたから今日の立場にいるのだと思います。
舞台ばえのする顔、夢咲ねね級のスタイル、安定した芝居の表現力があり、他の組の娘役トップには例を見ないクールな大人の雰囲気。
「女優」という言葉が似合う彼女。
今までの宝塚の娘役とはちょっと違ったものを感じます。
海乃美月は月城かなとと最後までコンビを組むのではないでしょうか。
「なぜ海乃美月がトップになったのか」
総合評価 ☆☆☆
月組の怖さ ☆☆☆
月組の厳しさ ☆☆☆
月組の素晴らしさ ☆☆☆
ではまた劇場でお会いしましょう!