こんにちは、はるとです。
月組「消え残る想い」を2回観ました。
待ちに待った正塚先生の新作、私は面白かったです。
ところが「RRR」や「アルカンシェル」を観てきたヅカファンの中には「消え残る想いは難しかった…」と言う声も。
確かに正塚ワールドは万人向けの娯楽作品ではありません。
まるでお芝居のお稽古をするための作品…
正塚作品、結構実はよく観ています。
最近上演された正塚作品を新しい順に並べると
「愛するには短すぎる」
「二人だけの戦場」
「ブラック・ジャック」
「ブエノスアイレスの風」
「バロンの末裔」
「追憶のバルセロナ」
「メランコリック・ジゴロ」
すべて再演で小公演。
決して難しい感じではありません。
本公演は「ケイレブ・ハント」以来で8年ぶり。
「愛するには短すぎる」は2006年に本公演で上演されたものを昨年全国ツアーでやりました。
正塚作品はどちらかと言うと小公演で渋くやる方が向いているんですね。
明るい作品もありますが小さな舞台で暗い照明のイメージ。
ストーリーも暗いのが多い。
「想い」を伝える作品ばかり。
その正塚先生の新作が今回は月組コンビの退団本公演で上演されることに。
「RRR」や「アルカンシェル」のような派手だったり華やかだったりする作品を期待してはいけません(笑)
月組生75人に専科2人で77人。
ところが物語のほとんどの場面は10人以下。
「FIRERRR」「WATERRR」「アルカンシェル劇団の団員」「民衆」みたいな大勢の場面はありません。
選び抜かれてはいるけど、ちょっとクセのあるセリフでつながっていくだけです。
笑いも「クスクス」という程度に押さえてあります。
ストーリーはどんどん進んでいきますが、感動的な場面はあえてなし。
テーマはある人物の「消え残る想い」だけです。
恋愛ものでもない。
公式にあった「アデーラはユリウスを一目見るや、全てを察したかのように彼の状態を言い当てる」という場面もお稽古をしているうちにちょっとストーリーが変わってしまったようです。
作品が完成するまでのお稽古場が目に浮かぶよう…
では我々観る側はどうすればいいのか?
繰り返しますが、みなさん全員に正塚ワールドを理解していただくのは無理です(笑)
でもこのちょっとしたミステリーを理解する上で知っていて欲しいことが2つあります。
①まずは時代。
「ヴィクトリア女王統治下のイギリス」
19世紀です。
今は夫のアルバートを亡くして元気がありませんが、その後世界各地を植民地化して大英帝国を繁栄させ「ヴィクトリア朝」と呼ばれる時代を築きます。
その裏で心霊術が信じられていたそうです。
②メアリー・スチュワート
16世紀に処刑されたスコットランド女王
気になる方は公式の人物相関図にあった「フォザリンゲイ城」もネットで検索しておくと理解が深まります。
普通は時代背景やそこまでの状況をそれとなく説明してくれる事が多いのですが、この作品には「アルカンシェル」のようなストーリーテラーはいませんので、この2人だけはちょっと予習しておく方が良さそうです。
2回以上観る方は観てから調べてもいいですが、1回しか観ない方は予習しましょう!
実は私はすでに新人公演も楽しみになりました(クスクス笑)
ヴィクトリア女王役は組長の梨花ますみ。
たった1回しか出てきません。
新人公演では105期・研6で長の静音ほたるがこの長いセリフの場面をどこまで梨花ますみに近付けるか楽しみです。
メアリー・スチュワート役は白河りり。
新人公演は咲彩いちご。
ついでに侍女のアンナ・クリフト役の麗泉里の新人公演は美渦せいか。
この2人があの歌を唄います。
私はこの2人の歌をまだ聞いたことがないような気がする。
彩みちる役はきよら羽龍で天紫珠李役は花妃舞音ですが、本役のあの体当たり演技にクソ真面目な2人がついていけるのか?
そして海乃美月役は今週やっと研2になった乃々れいあ、月城かなと役は想像がまったくつかない研3の雅耀!
この難しい「消え残る想い」は月組でしか出来ないし、さらにその新人公演を若手がちゃんとできるのか?
新人公演も、まさに芝居にチャレンジを求める正塚ワールド!
明日も観劇予定です。
ではまた劇場でお会いしましょう。