エンジェリックライは駄作か?傑作か?


こんにちは、はるとです。

ただいま大劇場遠征中。

もちろん観る演目は花組本公演「エンジェリックライ」と宙組バウ「MY BLUE HEAVEN」ですが最後にお茶会参加予定でそれもあわせると都合6回、のんびり宝塚を楽しんでいます。


その「エンジェリックライ」、思わぬチケ楽ですが、だいたいどんな偉大なトップスターも最初の御披露目公演はほとんどチケ楽。

しかも以前は新トップの御披露目公演は短い5週公演が多かったのに例の改革でいきなり初めから長い6週間公演になったワケで、いくらチケットが余っても私は「エンジェリックライ」は決して「駄作」ではないと思っています。

ところが次から次へと作品を上演する宝塚、チケットがちょっと余るといきなり「駄作」扱い。

多めに取ったチケットをすぐ手放したくなります。

株の相場と同じで不安心理が売りを呼ぶ(笑)

本当の相場師はそこ(底)を買うワケですね!


もう一度言います。

あくまで今回のチケ楽は需給関係の結果で作品の良し悪しはあまり関係がありません。

一部の転売ヤーが売れないチケットをあわてて値下げして処分しているようですが、そんな事には騙されず、まずは作品を自分の目で観てから決めましょう!


で、私はるとはあえて「エンジェリックライ」は「傑作」と言います。


それはなぜか?

ここからは冷静に谷貴矢先生のこれまでの作品を振り返ってみましょう。

2016年
バウ「アイラブアインシュタイン」
花組の瀬戸かずやが主演でしたが、私は観てません(笑)
当然スカイステージではやっているハズですが記憶にございません!

2018年
バウ「義経妖狐夢幻桜」
雪組に行った朝美絢が主演で娘役ヒロインは星南のぞみ。
和物です。
私はこの2人に興味津々でストーリーなんかはどうでもよかった(また笑)

2020年
東上「出島小宇宙戦争」
月組の鳳月杏・海乃美月・暁千星でストーリーは荒唐無稽でしたがコロナですべての公演が中止になる最後の公演を私はブリリアで観ましたのでそれだけで感動(笑)
ちなみに海乃美月はかぐや姫で予想通り月に帰りました。
和物で特に娘役の衣装が奇抜。

2021年
赤坂・DC「ダル・レークの恋」
月組の月城かなと・海乃美月がトップになる直前の公演で、まだ月城かなとの人気が上がる前だったので終演の挨拶のキャラが観客に理解されずに少し浮いてたような感じなのに月組の生徒達がやたらに月城かなとを高く評価していたのが印象的。

2021年
本公演「元禄バロックロック」
花組の柚香光・星風まどか
タイムマシンになっている巨大な懐中時計を巡る話で「出島小宇宙戦争」の時の望遠鏡を思い出してました。
星風まどかが柚香光のために何度も何度もタイムスリップしてやり直していたところにちょっとホロリ。
星風まどかは水美舞斗と美風舞良の娘。

2022年
舞浜「Rain on Neptune」
月組の月城かなと・海乃美月
劇場がディズニーランドの奥という効果もあって芝居もファンタジー!
海乃美月は昔月城かなとがなついてた女性の生まれかわりのアンドロイドだった。

2023年
DC青年館「赤と黒」
星組の礼真琴なのに劇場が小さく公演期間が短すぎて超チケ難で1回しか観れなかった。

2024年
本公演「RRR」
面白くて言うことなし!

2024年
本公演「エンジェリックライ」


詳しく分析していきましょう。

谷貴矢先生の作品は「原作もの」はまったく問題ありません。

ちょっと古くさい再演ものの「ダル・レークの恋」はともかくとして星組の「赤と黒」や「RRR」は最高でした。

ところがオリジナルはキビシくて記憶に残らないSFがらみの「アインシュタイン」や主役にしか興味が持てなかった和物の「義経妖狐」からスタートしたのですが「出島小宇宙」辺りから変な和物のSFが調和しだして「元禄バロック」で花開いた感じ。

もう「Neptune」ではすっかりファタジーとして完成して大人気公演。

つまり「アインシュタイン」→「義経妖狐」→「出島小宇宙」→「元禄バロック」→「Neptune」→「エンジェリックライ」と、どんどん進化して良くなってます。

だから「エンジェリックライ」は(谷先生の作品としては)一番進化した「傑作」です(笑)

とにかく谷貴矢先生作品、どんどん成長してますよ!

まあ「1789」→「RRR」→「ベルばら」と最近名作や大作をいっぱい観てきたヅカファンからはちょっと期待はずれなのは理解できますが…(笑)


また谷先生のこれらの作品には幾つかの共通点がありますのでついでに見ていきましょう(笑)

①変な和物
「義経妖狐」→「出島小宇宙」→「元禄バロック」
男役のコスプレはカッコいいのですが娘役の奇抜なカラーで足が出ている着物姿は私はちょっと好きになれませんが…(汗)

②SF
「アインシュタイン」(?)→「出島小宇宙」→「元禄バロック」→「エンジェリックライ」
荒唐無稽なストーリーの流れですが辻褄はだんだんあってきてるし最近はストーリーに感動すら覚えるようになってきました。
とにかく話の展開のテンポが早い。

③主演の男役のキャラ
まさにあてがき!
主人公のキャラがここまで朝美絢や月城かなとや柚香光にあってました。
今回の「エンジェリックライ」も先生がプログラムの挨拶文で言ってる通り永久輝せあは「天使」がピッタリかもしれません。

④娘役ヒロインの出生の秘密
ネタばれになるので詳しく書けませんがオリジナル作品全部のヒロインの母親を考えてみてください。

⑤花組と月組
「アインシュタイン」 花組
「義経妖狐」   月組出身の朝美絢
「出島小宇宙」  月組
「元禄バロック」 花組
「Neptune」   月組
「エンジェリック」花組

真面目に谷ワールドを再現できるのは芝居のうまい花組と月組なんですかね?

ただその月組が本公演ではやらないのもちょっと気になります。

もしかしたら谷先生のオリジナルの本公演は花組だけでしか観れないのかも?


そんな事を考えてると私はもっとチケットを追加してもいいのではないかと思いはじめました(笑)

ちなみに私は花組ファンではありませんので無理に「エンジェリックライ」を擁護していることはありません。

でも実は(もうご存じかもしれませんが…)はっきり言うと月組ファンなので、その結果谷貴矢先生の小公演を細かく観ている関係で「エンジェリックライ」も気にならないだけかもしれません。

「エンジェリックライ」は確かに「1789」のような歴史に裏付けられた壮大な作品でもなく「RRR」のような力強い激しい戦いの話でもなく「ベルばら」のような完成された作品でもありませんが、これらの作品にはないちょっとオシャレな面白さがあると思います。

今回値段を下げて売ってる転売ヤーもおそらく何割かはフツーのヅカファン、チケットが高く売れない時は空席にしないで劇場で席に座って周囲の評判に惑わされず固定観念にとらわれずにこの作品をゆっくり観てみてください。

そうすればもしかしたらちょっと永久輝せあと星空美咲のいいところが見えてくるかもしれませんよ(笑)

ではまた劇場でお会いしましょう!



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